浅煎りと深煎りの違い
焙煎度でここまで変わる
同じ豆でも、焼き方を変えるだけで「別の飲みもの」になります。コーヒーで最初に覚えるべき言葉が1つだけあるとしたら、それは産地名ではなく焙煎度です。
焙煎度とは、要するに「焼き加減」
収穫されたばかりのコーヒー豆は、うすい緑色をしていて、香りもほとんどありません。これを高温で焼くこと(焙煎)で、あの茶色い豆と香りが生まれます。
ここでどこで火を止めるかが焙煎度です。浅いところで止めれば浅煎り、長く焼けば深煎り。ステーキのレアとウェルダンの関係に近いと考えてください。
5段階の味の違い
お店によって呼び方は違いますが、だいたい次のように整理できます。
| 段階 | よくある呼び名 | 味の印象 |
|---|---|---|
| 1 極浅煎り | ライト/シナモン | とても軽く、酸味が主役。紅茶に近い |
| 2 浅煎り | ミディアム | 果実や花の香り。甘みも出てくる |
| 3 中煎り | ハイ | 苦味・酸味・甘みが均衡。いちばん万能 |
| 4 中深煎り | シティ/フルシティ | 香ばしさとコク。喫茶店の味 |
| 5 深煎り | フレンチ/イタリアン | はっきり苦い。チョコやカラメル |
浅煎りが得意なこと
産地ごとの個性がそのまま出ます。「エチオピアはベリーみたい」「ケニアはカシスみたい」といった話は、ほぼ浅煎りの世界の話です。香りを楽しみたい人、紅茶が好きな人はこちら。
深煎りが得意なこと
安定感と力強さです。産地の個性は控えめになるかわりに、どっしりした苦味と甘い香ばしさが出ます。ミルクを入れる・アイスにする・お菓子と合わせるのは深煎りの独壇場です。
覚えておくと便利な法則
焙煎が深くなるほど、酸味は減って苦味とコクが増える。
ほぼこれだけで、売り場のほとんどの豆を予想できます。
もう1つ。甘さは中煎り前後がピークになりやすい、という傾向もあります。「苦いのは苦手だけど、酸っぱいのも違う」という人が中煎りに落ち着くのは、これが理由です。
また、深煎りの豆は表面に油が浮いていることがあります。これは劣化ではなく、深く焼いた証拠です。ただし油は酸化しやすいので、深煎りほど保存には気を使ってください。
あなたはどれを選ぶべきか
- 紅茶やハーブティーが好き → 浅煎り
- 好みがまだ分からない → 中煎り
- カフェオレ・ラテにする → 深煎り
- アイスコーヒーにする → 中深煎り〜深煎り
- チョコやケーキと合わせる → 中深煎り〜深煎り
いちばん確実なのは、浅煎りと深煎りを100gずつ買って飲み比べることです。1週間で、自分がどちら側の人間か分かります。中間が好きだと分かったら、そこが中煎りです。